<今宵も、君と> 4
濡れ場注意!です。
荒々しく唇を重ね、息もできないくらい、絡み合った。
その有無を言わせぬ強さに、眉村は少し驚きながらも、夢中で応える。
シャツの隙間から、薬師寺の手が滑り込み、
眉村の腰から背中にかけて流れるように這い上がる。
やがて胸の一点に辿り着くと、まだ冷たいその手と指の感触に、
思わず眉村の声が漏れた。
薬師寺は眉村の肌の熱さに酔い、そのまま唇を重ねると彼の服に手をかける。
性急なその動きを制するように、眉村が少し体を離そうとしても、
薬師寺の腕はそれを許さなかった。
あらわになった首筋を、薬師寺の舌がいつものように伝い始めると、
眉村はもう抵抗することもなく、静かな快感の波に身をまかせた。
すぐ隣の寝室に移動する間も、キスの雨が止むことはない。
ベッドに倒れこみ、きつく抱き締めあった。
薬師寺の唇が降りて来る。
中心に与えられる、触れるか触れないかの刺激に、眉村の体が少し震えた。
それだけでそこは静かに溢れてきて、その雫を舌で拭い取りながら、
薬師寺は同時に彼の後ろにも触れ、ゆっくりと解きほぐす。
受け入れられた瞬間の甘い呻きに、答えるようにキスをした。
一瞬、一つになったまま、見詰め合う。
偽らざる想いがその瞳に輝いた・・・・・。
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薬師寺がシャワーを浴びて出てくると、先ほどまでの荒い息づかいなど嘘のように、
恋人は安らかな顔で眠っていた。
二人の甘い秘め事の痕跡が、彼の透き通るような肌にうっすらと残る。
互いが昇り詰める直前、艶めく吐息と共に、自分の耳にはっきりと届いた眉村の声。
薬師寺はその声色に乗せて紡がれた言葉を、しばらく忘れられそうにない、と思った。
恋人の胸の内にあるのはわかっていても、めったに聞くことのできないそのフレーズは、
薬師寺の心をやさしく溶かし、熱くした。
好きだから一緒に居る。触れ合いたいから抱き合う。
眉村にとっては至極シンプルなことなのだ。
その真っ直ぐな強さに、薬師寺はいつも憧れ、そして・・・・救われる。
薬師寺はローボードの奥から、クリスマスソングの入ったCDを出してみた。
小さな音で流れる賛美歌を、そっと口ずさむ。
・・・・Fall on your knees, O hear the angel voices.
O night divine, O night when Christ was born.
O night divine, O night, O night divine.
気付けばまた、涙が頬を伝っていた。相変わらず涙もろい自分に、
小さくため息をつきながら、眠る眉村の傍らに腰掛けた。
本当は、世界中の誰よりも、クリスマスに感謝していた。
背を向けながらも、いつも祈っていたのかもしれない。
たった一人に出会えたことを。
この胸に抱き締めることができる喜びを。
二人で共に同じ道を歩めることを。
_____俺も、愛してるよ。
薬師寺は、恋人の美しい寝顔に唇を寄せて、心から祝福の言葉を囁いた。
<終>
Merry Christmas & happy Birthday….
Special thanks !! 木綿一丁 様 <時代屋の恋女房>
2007 /12 /25
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