オマケですv
それから、一年程たった頃。
眉村は、うつぶせに横たわる薬師寺の髪を弄びながら、
彼の話をぼんやり聞いていた。
「そうそう。それで、あの佐藤って奴が、ついに海堂エージェンシーを辞めて、
茂野の事務所の入ったんだ。」
思い出したように顔をあげた薬師寺は、ついこのあいだまで
ハラハラさせられた、二人の広告マンの話を始めた。
彼らについては、時々聞いていたので、眉村も少し興味を持って、
眠ろうとしていた体制から薬師寺の顔を覗き込む。
「ほう・・・本当に辞めたのか。潔い奴・・」
「そうだな。でも、時々一人でやってきては、茂野の愚痴を言ってるぞ。」
「なんだ。仲が悪くなったのか。」
「違うぜ。・・・その反対だ。」
薬師寺はニヤリと笑って
無邪気な恋人の頭をクシャっと撫でる。
そして、まだ不思議そうな顔をしている彼の額に、優しくキスをした。
河に面した寝室の大きな窓からは、視界を遮るものは無い。
二人が寝そべるベッドからは、暗いけれど微かに瞬く、都会の星空が見えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<終>
なんとなく、「Bar Thirdの風景」の続きが頭をよぎったのでした(笑)
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