〜旧拍手ログ〜
<卒業式>
プロ入りしてはじめてのキャンプで鍛えられ、久しぶりの制服が少しキツく感じられた。
淡々と式が進む中、ずっとお前の背中を見つめていた。
泥まみれになりながら練習したグラウンドも、甲子園のまぶしいマウンドも、
お前と過ごしたあの部屋も、もう、随分昔のことみたいだな・・・。
オープン戦真っ只中の俺たちは、明日にはまたチームに合流しなければならない。
式が終わると、俺もお前もたくさんのマスコミに囲まれる。
慌しい中で交わせた言葉は、たった一言。
「元気か?」
「ああ。」
_____会いたかったよ。
それは言葉にはならなくても、眼差しだけで伝わる想い。
お前は少し照れたようにうつむいて、またな、と言って別れた卒業の日。
次に会えるのはいつだろう?
今はただ、それぞれの道を夢中で走るだけだ。
開幕まで、あと少し。
(end) |
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