寿くんお誕生日記念 sss  2007年







<小さな秘密>








「なあ、いいのか・・・?」

「何が・・・?」

「授業さぼってこんな・・・・・」

「たまには、いいじゃない?薬師寺は、嫌なの?」

「嫌・・・じゃ、ねぇ・・・けど・・・」

「けど・・何?」


「・・・・。」

「・・・何?恥ずかしい?」

「・・・少し・・・。」

「・・・僕は平気だよ?」

「・・・やめてもいいか?」

「眉村に言うよ。」

「それは・・・。」

「じゃあ、早く・・・」

「・・・・・・。」





薬師寺の態度に、さすがの寿也も怒り出した。





「今更何だよ!!誕生日なら、何かおごってやるって言ったじゃん。」

「言ったが、まさか・・・・。」







「・・・・・・・・・・・原宿ど真ん中の・・・・クレープ屋ってのは・・・。」





圧倒される程の数の女性客に混じり、
これでもかと盛られた生クリームに、
目が冷めるくらい鮮やかなピンクのソースが懸かってる物体を、
うれしそうにほお張る寿也。
それを見届けると、とうとう薬師寺も観念して
黙って口をつけてみた。


「甘ぇ・・・・」



眩暈のするようなその匂いに、倒れそうになる。


「ありがとう薬師寺。吾郎君じゃつきあってくれないからさぁ・・・」


寿也の笑顔に、ちょっと照れて、 わざわざ出かけたきたんだから、
まあいいか、ともう一口食べようとしたら・・・。




_____実は甘いものに目がない眉村の顔が浮かんだ。




(アイツも食べたかった、なんて怒るかな・・・?)




やっぱり内緒にしておこう、と薬師寺は思った。




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寿くん、誕生日おめでとう♪

2007・9・9


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