09年 寿誕SSより
    


___もう!吾郎くんの暴投だからね。

___しょうがねーだろ。ちゃんと捕らない寿が悪い。


いくら怒っても、吾郎は自分をからかうばかりだった。
背の高い草に囲まれて、座り込んだ二人の後ろでは、
空がオレンジ色に染まり始めていた。


___暗くなる前に帰ろう、吾郎君。


寿也は吾郎の返事を待たずに立ち上がりかけた。
するとその腕を、吾郎が掴んだ。

驚く間もなく引き寄せられる。













海堂合格を目指し、一緒にトレーニングに励んでいた中3の秋。
この時代がとてもお好き、というさく様が、
09年寿誕SSの1シーンを描いてくださいました!!


実は、このシーンの56014は、さくさんの絵でイメージしていたんです。
直近で読ませていただいたさくさんのオフ本がとても素敵だったので
あの二人ならこういうかんじかな、という雰囲気で書いたシーンでした。
(最初は、この中3時代を回想するプロットはなかったんです)
それなのに、SSに過分なお褒めの言葉をいただいてしまったので、(汗)
思わず白状しました。すみません!


絵描きさんのパワーってすごいです。
だって想像どおりです。
夕日に照らし出された二人の肌の質感まで・・・・ああああ。
ああ、この時代の彼らは、
ただまっすぐ二人だけの未来を見てるんですね・・。

さくさん、本当にありがとうございました!!



2009・9・28

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