春に書いた突発ss 

<サクラ>






_______いつもの時間に、眉村の携帯が鳴る。




「・・・なんだ?」

「おい!桜が咲き始めたぞ!」

「・・・それがどうした。」

「見に行こうぜ!なあ、こんどオフいつだよ?」

「・・・開幕したばかりだろ。少しは仕事に集中しろ」

「だーからしてるって。見たろ?俺の開幕いきなりのスリーベースヒット」

「・・・・・あれは守備がお粗末だったからだ。あのチーム相手なら当然だ。」

「なんだと!?お前んとこだって似たようなもんだろうが!こっちは悪いが常にAクラスだぞ。
で、やっぱりあれか、お前、この週末開幕投手だろ?」

「・・・・・。」

「まあいいや。とにかく花見に行こうぜ!」

「なんでお前はそう、毎年毎年サクラに浮き足立つんだ・・・(ため息)」

「なんだよ、日本人なら桜と紅葉はハズせねーだろ!?京都行くぞ京都!」

「・・・確か、秋につきあってやったはずだ・・・・。それにシーズン中に行けるわけがない。」

「んなことねーよお前が甲子園で俺が京セラドームのときとか!」

「不・可・能だ!」

「・・・わかったよ怒んなよ。はは!京都は冗談だ。鎌倉でもいいぜ。」

「人が多い場所は行きたくない。それに・・・」

「せっかくだから桜の名所とか行きたくねーのかよ?」



「・・・でも・・・いい。」

「え?なんだよ、聞こえねーぞ?」



「・・・・・だから、・・・お前と二人で静かに桜を見るなら・・・どこだってかまわない。」

 
「!!!」 


「・・・・・。」


「・・・・・・・・・・しょ、しょーがねーなぁ・・・。んじゃ、またあそこでいいよ・・・。」



 
 <終>

2007年3月28日

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほんの少しだけ、続きます。




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